台風の中を仁川から成田へ

展示編の続きで、台風の中を仁川空港から成田空港へ帰り、成田空港を出るまでの話です。
飛ぶのか、飛ばないのか
前の晩の時点では、翌日のソウル発・成田行きは台風で飛ばなさそうでした。休暇にはまだ余裕がありましたし、飛べば確実に揺れます。代替便が出るなら、いっそ欠航してくれたほうがいいと思っていました。
ところが、予約していたエアプレミアからは「予定通り出発する」と連絡が来ました。空港のカウンターで聞いても「今のところ予定通りです。ただ、搭乗後に飛ばなくなる可能性はあります」とのことでした。
この時点で、二つのうちどちらかは覚悟していました。搭乗したあと機内で待たされて、仁川で一泊すること。あるいは、成田に着いても印旛沼のあたりの線路が冠水していて、成田空港から出られなくなることです。
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仁川空港のスマートパス
出国には、仁川空港のスマートパスを使いました。パスポートと顔、搭乗券をあらかじめ登録しておくと、出国審査や搭乗口を顔認証だけで通れるサービスで、2023年7月に韓国の空港で初めて導入されました。登録はスマートフォンのアプリか、空港のキオスクでできます。顔の情報は5年間有効で、搭乗券は出国のたびに登録します。2025年には、第1・第2ターミナルのすべての搭乗口で使えるようになりました。
仁川は出国に時間がかかる印象がありましたが、出国ロビーの専用レーンから入って、3分で出国手続きまで終わりました。
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揺れる機内
飛行機は遅れずに出発しました。日本海側から日本に入り、日立のあたりまで抜けて、海側から成田へ向かうルートでした。到着予定時刻はどんどん延びていき、日本の上空を飛んでいるのに、日本から遠ざかっていくような感覚でした。
揺れる飛行機には何度も乗ってきましたが、今回は機内にいる時間の半分以上が揺れていて、大人でもしんどいほどでした。初めてエチケット袋を使う覚悟をしました。結局、成田には予定より1時間遅れて着きました。
成田で足止め
覚悟していたうち、当たったのは成田空港から出られないほうでした。京成本線や JR は早い段階から一部で運転を見合わせていて、1時間待った京成スカイアクセス線も、線路の冠水で1mも進まないまま止まりました。バスも運休でした。
下手に動くと余計に動けなくなると思い、早めに寝床を探しました。空港周辺の宿は、高額なところ以外はほぼ予約でいっぱいでした。今どきは台風でなくても当日の宿に余裕がないので、宿は早々に諦めました。
以前、羽田で足止めされたことがあり、そのときの経験から空港内で横になれる場所を探しました。見つけたのが、人工芝にテントが張られた「エアポートカフェ NODOKA」です。30分ごとに料金が加算されるネットカフェのような休憩スペースで、9時間で5,800円ほどでした。雑魚寝ができるので、ここを始発までのキャンプ地にしました。
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このころには、飛行機の揺れと台風による気圧の変化で偏頭痛が出ていて、展示の疲れも重なり、身体が動かなくなっていました。早めに寝床を確保できたのは本当に助かりました。最後はスペースが人でいっぱいになっていましたが、しっかり休んで体調も戻りました。できればもうお世話になりたくないですが、成田で足止めされたときの選択肢として覚えておきます。
空港を出る
翌朝は、日中まで待てば電車も空くかもしれないと考えました。ただ、鉄道各社の今後の運行状況が読めず、待っているあいだにシルバーウィークの帰国便で着く人たちと重なれば、今以上に動けなくなるおそれもありました。そこで、始発に乗るつもりでホームへ向かいました。京成スカイアクセス線は始発の前に臨時の列車を出すことになっていて、ホームは同じように足止めされた人でいっぱいでしたが、その列車に乗りました。空港に着いてから、14時間がたっていました。
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あとで調べると、JR の成田線はその日の夜まで運転を見合わせ、京成本線も折り返し運転が続いていたようです。スカイライナーも、自分が臨時の列車に乗った日の深夜の便まで、予約が取り消される状態が続いていました。予定どおりの便で帰ってきて、朝のうちに空港を出られたのは、結果的にはよかったのかもしれません。
足止めされずに帰れればそれに越したことはないですが、旅にこうしたトラブルはつきものなので、旅の思い出が一つ増えたくらいに思っておきます。